老々介護のリスクと支援制度——高齢の配偶者が介護をする家庭が今から備えるべきこと

高齢者が高齢者を介護する「老々介護」は共倒れのリスクが高い。心身の負担を減らすために使える介護保険サービス・地域の支援制度をわかりやすく解説。

「老々介護」とは何か——なぜ今、増えているのか

65歳以上の高齢者が、同じく65歳以上の配偶者や親を介護する状態を「老々介護」と呼びます。厚生労働省の調査では、在宅介護を担う家族のうち約6割が老々介護に該当するとされ、平均寿命の延伸とともに今後さらに増えていくと見込まれています。介護する側も体力・認知機能が低下し始めている年代であるため、一般的な介護よりも「共倒れ」のリスクが高いことが最大の特徴です。

老々介護で起きやすい3つのリスク

  • 介護者自身の体調悪化:腰痛・膝痛・持病の悪化に気づかないまま介護を続け、共倒れになるケースが少なくありません。
  • 認認介護(にんにんかいご):介護する側にも認知機能の低下が始まっている場合、服薬管理や金銭管理でミスが重なりやすくなります。
  • 社会的孤立:夫婦二人だけの介護生活になると、外部との接点が減り、異変に周囲が気づきにくくなります。

共倒れを防ぐために使える介護保険サービス

  • デイサービス(通所介護):日中だけでも施設に預けることで、介護者の休息時間を確保できます。
  • ショートステイ(短期入所):数日〜1週間程度施設に宿泊してもらうことで、介護者が入院・冠婚葬祭・休養にあてる時間を作れます。
  • 訪問介護・訪問看護:身体介護や医療的ケアの一部を専門職に任せることで、介護者の身体的負担を減らせます。

地域包括支援センターを「介護者本人」のために使う

地域包括支援センターは要介護者本人の相談窓口というイメージが強いですが、実は介護者自身の心身の負担についても相談できる窓口です。「自分も年だから」と我慢してしまう前に、ケアマネジャーや地域包括支援センターに「自分がしんどい」と伝えることが、共倒れを防ぐ第一歩になります。

離れて暮らす子ども世代ができるサポート

  • 定期的な帰省・電話で、介護者側の顔色や口調の変化に注意を向ける
  • デイサービス・ショートステイの利用を提案し、費用面のサポートをする
  • ケアマネジャーに「もう一人の高齢者(介護者)」の状況も共有しておく

まとめ

老々介護は「頑張り屋の夫婦・親子ほど深刻化しやすい」という特徴があります。介護保険サービスは要介護者のためだけでなく、介護する側の負担軽減のためにも積極的に活用すべき制度です。少しでも「しんどい」と感じたら、我慢せず地域包括支援センターやケアマネジャーに相談しましょう。

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